2016年1月2日土曜日

木工には塗装を

DIYの初心者にとって木材は扱いやすい材料のひとつです。テレビのバラエティ番組でも、ホームセンターで手に入るSPF材やスノコを材料にしたDIYが紹介されています。

このように木材を材料としたDIY作品には、ぜひとも塗装をする事をお勧めします。日本は湿気が多い気候で、ちょっとした事でよくカビが発生します。さらに古いマンションなどは結露が生じやすく、特にカビが発生しやすい条件を備えています。

さらに運が悪いことに、木材で、しかもSPF材やスノコに使われる針葉樹といったやわらかい樹種は、とてもカビが生えやすいです。こういう素材のものを台所や洗面所など、湿気の多い場所で使うと、一層カビが生えやすいです。

実際に、テレビのバラエティ番組と同じ様に、SPF材やスノコを使った自作の家具を作ってみたところ、すぐにカビだらけになってしまった、という人も居るのではないでしょうか。

カビを防ぐ方法として一般的なもののひとつが塗装です。木材にカビが生え、やがて木材全体が腐るという事は、昔から知られていた事です。これは多くの人の悩みで、なんとかカビを生やさない事ができないか、という事で考え出された方法の代表的なものが塗装です。塗装には様々な効果や機能がありますが、木材にカビを生やさない、腐らせない、という機能について色々考えられ、様々な塗料が作られてきました。殆どの塗料は、塗装によって一定の防カビ効果が得られるものではあります。しかしさらに、防カビ効果をまさに狙って防カビ材を配合し、はっきりと耐カビ性能を持たせている事をアピールした塗料もあります。確実な防カビ効果を期待するならば、その様な性能を備えた塗料で塗装するのが良いでしょう。

ここで一つ心配なのは、塗装が上手でないと、せっかく作った作品がかえって見栄えの悪いものになってしまうのではないか、という事です。確かに、塗装には技能の巧拙があって塗りムラの無い様に美しく仕上げたりするには、一定の技能が要求されます。しかし、初心者にも比較的うまく仕上げやすい方法もあります。例えば、ローラーを使った塗装では初心者にも比較的簡単に、きれいに仕上げる事ができます。また、表面に塗膜を作るタイプの塗料でなく、オイルステインやワックスといった、木材に浸透させる塗料なら、塗りムラなどをはじめからあまり気にせず塗る事ができます。これらの塗料の仕上がりは、木目を消さずに活かすタイプの仕上がりになります。

また、塗装イコール着色という訳ではありません。元々の木材の素材色を変化させないものもあります。色名に「透明」や「クリア」と書かれたものです。これらは、単体で使用される場合は専ら木材を保護したり、ツヤ出しなど表面に塗装の質感を与える為に使われます。また、他の色と混ぜて、色を薄める事で半透明の着色をしたりする場合に使用される事もあります。

まずは、木材はカビが生えやすいという事と、カビを防ぐ代表的な手段として塗装がある、という事を押さえておきましょう。