カッターとは違った使い心地で色々なものを切断できる万能ハサミは、用途が幅広く、DIYの幅を広げてくれる工具のひとつです。日常的に慣れているハサミと同様の操作で使用できるので、馴染みやすさもピカイチです。DIYの作業以外にも、日常的な家事や、ちょっとした剪定などの園芸作業でも使える場面があります。
万能ハサミと金切りハサミは形状や用途が似ていて、両者を兼ねている製品もあります。
板金やプラスチックの板材を加工する職種ばかりでなく、電気工事や、鋼製下地(軽天)工事の分野などでもプロ職人の愛用者が居ます。
切断できる物の例
- 薄いベニヤ
- 薄いプラスチック板
- ゴムシート
- ダンボール
- 細めの針金
- 薄い鉄板
- トタン/プラスチックの波板(縦向き)
- ボード壁用コーナー下地材
- ロープ
- ナイロンベルト
- プラチェーン
- ゴムホース
- ブルーシート
- ゴルフネット/トリカルネット/園芸用ネット
- 細めの電線
- 竹ひご
など
選ぶポイント
サイズ
刃渡りの長いものは、大きなものを切るのに適しています。また、グリップが長いものは、てこが効いて、強い力で切る事ができます。 コンパクトなものは、携帯性や狭いスペースでの作業性が優れています。
首の角度
首の部分がまっすぐのものと、首の部分が少し曲がっているものがあります。首の部分が曲がっているのものは、大きな板状の材料を長い距離にわたって切り進むときに、はさみを握る手と材料が干渉しにくい形状です。まっすぐなものは、裏表を気にせずリバーシブルで使えるものがほとんどです。
グリップの形状
グリップが事務用はさみ等のように環状になっているものと、バータイプのものがあります。バータイプのものはたいてい、バネで刃とグリップが開く機構を備えています。
倍力
倍力タイプのものは、二重にてこを効かせる機構により、握力をより増幅して刃に力を伝え、強力に切断できます。一方、倍力でないノーマルなタイプのものは、通常のはさみに近い感覚で、力加減がダイレクトにコントロールできます。
似ている工具のバリエーション
金切りハサミ(金ばさみ)
万能ハサミと金切りハサミの境界ははっきりしたものではありません。例えばAmazonでは、「万能ハサミ」というキーワードで検索しても、「金切りハサミ」というキーワードで検索しても、どちらにも表示される製品があります。そして万能ハサミと呼ばれる製品のパッケージを見ると、用途に金属板や針金の切断も含まれている事がほとんどです。金切りハサミと呼ばれる製品は金属の切断にさらに特化した利用のために発売されているもので、頑丈で重厚な造りのものが多いです。金属の加工作業に使うハサミが欲しい、という風に用途がはっきりしている場合は、万能ハサミでなく金切りハサミと呼ばれる製品をまず買っておけば、用途によりマッチして使いやすい場合が多いでしょう。
波板切りハサミ
トタン、塩ビ、ポリカーボネートなどの波板の波型に沿うように、刃が波型になっています。波板を横向きに(波と交差して)切る場合に、波がつぶれたり、波に刃を取られて左右にブレたりしにくい様に、用途が特化されたハサミです。ただし刃と材料の波のピッチや形状が異なる場合には、有効性が著しく減少します。
プロの現場でよく使われるメーカー
MCC、フジ矢、モトコマ、エンジニア、ベッセイ、東邦工機(HIT)、長谷川刃物、トラスコ中山、三菱マテリアル、クニペックス など